個人的には仮想通貨は投機としてはありだとは思いますが、投資に向いた商品だとは思いません。
FTX取り付け騒ぎ
仮想通貨取引所のFTXが保有する裏付け資産の大半が、自社が発行する仮想通貨FTTであるとの疑惑から、ライバル企業のバイナンスが保有しているFTTを売り浴びせたことで仮想通貨市場全体が大幅に下落しました。
FTXの暗号資産が信用不安で1日で1/4のバーゲンセールを開催したせいでドル金利が下げてるのに暗号資産市場全体が大幅下落
— あみど みどあ (@amidmidoa) 2022年11月8日
昨日も書きましたが倒産前のジャンク社債みたい
【FTXトークン/円】796 ▼75.51% -2,454 [07:16] pic.twitter.com/4qChKYLEen
さらにバイナンスはいったんは救済するとの発言を撤回したためさらに仮想通貨市場は下落しました。
おはようございます
— あみど みどあ (@amidmidoa) 2022年11月9日
昨日はFTX救済をバイナンスが取り下げたことで暗号資産が総崩れ
その影響で株も総崩れ
もう草コインは滅びればいいのに
【ビットコイン円】2,302,624 ▼14.95% -404,726
【イーサリアム円】159,523 ▼18.07% -35177pic.twitter.com/fScfCvYFht
FTTの価値
FTTはFTXが独自に発行した仮想通貨です。その裏付けはFTXの資産になります。会社で言うなら発行社債と資本金の関係が近いと思います。地銀の社債を買ったら資本金が嘘だったみたいな状況でしょうか。
日本銀行では、発行した通貨は負債に計上されます。発行した通貨は信用を希釈したものであって、信用の総量は変わらず日銀が保有する日本円は銀行資産としての価値を持ちません。
それなのにFTXは自社で発行した通貨を裏付け資産として運用していました。これは手書きでメモ帳に書いたドル札金庫に入れていたのと何も違いがありません。
今のところ他にまだ保有する資産があると言い訳をしていますが、つい半年ほど前に起きたテラ<LUNA>の破局では創業者は虎の子の裏付け用ビットコインをさっさと売却して逃亡しています。
すでにFTXは支払を停止しており、取り付け騒ぎになった状態で十分に支払えるだけの資金は保有していないと思われます。また、証券と違い名義管理が保証されず、資金の分割管理もされていないとなれば、破綻時には何も補償されないのは当然ではあります。
そういえば似たような事例だとマウントゴックスのビットコイン盗難もありました。あれは裁判に時間がかかったせいで、保有ビットコインが値上がりして被害額を上回る補償返済が可能になったという意味の分からない事例ですが。
なぜ人は仮想通貨で踊るのか
冒頭で書いた通り、投資としてはあり得ませんが、投機としては値動きが激しいのでうまく乗り切れるなら十分利益を出すことができます。仮想通貨はその名が示す通り、FXと同じ相対取引のゼロサムゲームです。通貨市場全体の価値はいくら取引しても変動することは無いため、勝者と敗者の総量は等価*1になります。(通貨自体がデフォルトした場合は保有者全員が敗者)
でもそれなら別に普通のFXでもいい気がします。仮想通貨は雑所得で所得税は最高で50%近くになりますが、FXなら分離課税で20%で済みます。
仮想通貨が盛り上がる前に保有できなければリスクに対してのリターンが見合わないと思ってます。
それでも一獲千金を狙う方法として魅力的なのは否定しません。投資では分散は基本ですが、分散すればするほどリターンが小さくなります。そのため投機では一転集中の短期勝負が基本かと思います。
投資対象とするのかは自己責任でご検討ください。
*1:通貨発行体を除く