380円の株が市場クローズ後にいきなり36円強制買取に
ストップ安2連続の後ストップ高のあとに上場廃止発表とかかなり被害者がいそう
日医工上場廃止
日医工<4541>はジェイ・ウィル・パートナーズ(ジェイ・エス・ディー)への第三者割当増資後に1株に併合して上場廃止すると発表しました。
割当予定先以外の当社の少数株主の皆様に対し、総額で約 25 億円(1株当たり 36 円)の金銭を交付すること(以下「本株式併合」といいます。)を決議いたしました、割当予定先以外の当社の少数株主の皆様に対し、総額で約 25 億円(1株当たり 36 円)の金銭を交付すること(以下「本株式併合」といいます。)を決議いたしました
スクイーズアウトとは
今回のケースはスクイーズアウトと呼ばれる、上場廃止のために持ち株を100%にすることを目的に少数株主からすべての株を買い上げる形式です。
TOB(株式公開買い付け)では、市場で購入金額を提示して株を買いあげますが、TOBが成立したとしても応じない少数株主が残存します。しかし、TOB成立で上場廃止になるケースでは、少数株主から強制的に株を買い上げることができるようになっています。NTTドコモ<9437>ではこのパターンです。買い付け価格も高く、TOBに反対する理由がなかったため特に混乱もなくNTT<9432>の100%子会社となり、上場廃止になりました。
先週11月11日(金)で終了したアルヒ<7198>のTOBでは、SBIによる子会社化を目的としており、上場廃止せず今日も普通に市場で売買ができています。
しかし、今回の日医工ではTOBでは無く、第三者割当増資で株式を大量に発行することで市場の流通株を希釈し、薄まった株を強制的に買い上げるという手法です。
端的にいうと、既存株主は強制的に切り捨てる方式になります。
いつ上場廃止か
上場廃止は2023年3月から4月とのことです。
日医工ホルダーはどう対処するべきか
基本的に取れる選択肢は3つです
- 市場売却(オススメ)
来年3月頃の上場廃止までは36円で張り付くと思われます。一応まだ突然第三者割当が取り消しになったりした場合に株価が動く可能性はありますが、それを期待して保有するメリットは低いでしょう。
資金がロックされるのが嫌なら、あきらめてさっさと市場で売却するべきです。少なくとも2日はストップ安になるはずですが、運が良ければストップ下限の300円、次の日は220円で売却が可能です。2日連続ストップ安の後は値幅下限が解除されて36円前後で推移することになります。
- 強制買上
上場廃止時に強制的に買上られます。この場合、上場廃止と同時に買い上げとなります。遅滞なく支払うことになっていますが、実際にいつ支払われるのかはわかりません。そのため市場で売却する事を強く推奨します。 - 反対株主の買取請求権
強制買上の価格が不満な場合、買取価格不服で株主総会までに株式買取請求権を行使することができます。よほどの大株主でもなければこれが選択肢に上がることは無いでしょう。これで合意できなかった場合は裁判になります。
ほとんどの人は1.の市場売却以外の選択肢はないでしょう。買取価格が上がる可能性にかけて、しばらく保有する選択肢が無いとは言えませんが、こういった場面では割り切ってさっさと現金化したうえで心機一転、次の銘柄に移った方がいいと思います。